派遣と派遣・単発バイトのダブルワークは可能?40時間の壁や社会保険、確定申告を解説

一般事務の派遣とIT関連の短期派遣の仕事のダブルワークをしている女性

派遣社員として働きながら、収入アップやスキルアップを目的にもう一つ仕事を始めたいと考える方は少なくありません。しかし「派遣でダブルワークをしても大丈夫なのか」「本業にばれないか」「税金や社会保険の手続きはどうなるのか」など、疑問や不安を感じる方も多いでしょう。本記事では、派遣と派遣、派遣と単発バイトなどの組み合わせでダブルワークをする際に押さえておきたいルールとポイントを整理して解説します。

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目次

派遣のダブルワークは原則可能!事前に確認すべきルール

結論から言うと、派遣社員がダブルワークをすることは原則として可能です。ただし、始める前に確認しておくべきルールがいくつかあります。ここではまず、法律上の考え方と、実務上注意すべきポイントを整理します。

法律上はダブルワーク(副業)を禁止されていない

日本国内の法律において、労働者がダブルワークを行うこと自体を禁止する法律はありません。厚生労働省も働き方改革の一環として副業・兼業を推進しており、モデル就業規則からも「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しています。したがって、派遣社員であっても法律上はダブルワークをすることが可能です。

ただし、法律上問題がないことと、契約上・就業規則上問題がないことは別の話です。次項で説明する契約面の確認が欠かせません。

派遣会社の就業規則を確認する

法律上は問題がなくても、派遣会社との労働契約や就業規則で副業・兼業に関する規定が設けられている場合があります。また、派遣先の機密情報を扱う場合などは、秘密保持義務や競業避止義務にも注意が必要です。ダブルワークを始める前には、以下の点を確認しておきましょう。

  • 派遣会社の就業規則に副業禁止・許可制などの規定がないか
  • 派遣先の機密情報を扱う業務など、競業避止義務が発生しないか
  • ダブルワークの事前申告・届出が必要かどうか

規定に違反した場合、契約解除などのトラブルに発展する可能性もあるため、自己判断で進めず、事前に派遣会社の担当者へ相談しておくことをおすすめします。

派遣のダブルワークが「ばれる」と言われる理由

「ダブルワークをすると会社にばれる」と言われる主な理由は、住民税の金額から副業の存在が推測されるケースがあるためです。ダブルワークによる所得は住民税の計算にも反映されるため、勤務先で住民税を特別徴収している場合には、住民税額の変化がきっかけで副業に気づかれることがあります。

ばれること自体を過度に恐れる必要はありませんが、仕組みを理解し、必要な手続きを取っておくことが安心につながります。

住民税に関する具体的な手続き方法については、こちらの記事もあわせてご参照ください。

派遣のダブルワークで知っておきたい「週40時間の壁」

ダブルワークを考えるうえで多くの方が気になるのが、労働時間の上限です。ここでは「週40時間」というボーダーラインの考え方と、それを超えて働きたい場合の注意点を解説します。

労働時間は複数の職場で通算される

労働基準法38条では、労働時間は事業場を異にする場合であっても通算して計算すると定められています。つまり、A社で週30時間、B社で週15時間働いている場合、法律上は合計45時間働いているとみなされるということです。

法定労働時間である1日8時間・週40時間を超える部分については、原則として時間外労働に該当します。複数の勤務先で働く場合は、それぞれの所定労働時間や実際に働いた時間を通算し、法定労働時間を超えた部分について、該当する勤務先に36協定の締結や割増賃金の支払いなどの対応が必要になる場合があります。

派遣でダブルワークをする場合もこの通算ルールが適用されるため、それぞれの勤務先での労働時間を把握し、必要に応じて派遣会社へ申告することが大切です。

週40時間を超えて働きたい場合に注意したいこと

「もっと収入を増やしたいので40時間以上働きたい」と考える方もいるでしょう。その場合は、以下の点に注意が必要です。

  • 合計労働時間が週40時間を超えると、割増賃金の対象になる可能性がある
  • 勤務先ごとに労働時間を正確に自己申告し、双方に把握してもらう
  • 長時間労働による疲労の蓄積でパフォーマンスに影響が出ないよう体調管理を徹底する

また、複数の勤務先での労働時間を通算した結果、法定労働時間を超える場合は、割増賃金の支払いなどの対応が必要になることがあります。そのため、派遣会社によっては他社での勤務時間の申告を求めたり、ダブルワークに一定の条件を設けたりしている場合があります。

労働時間を増やすことだけでなく、時給や勤務時間などの条件も確認し、無理なく収入を増やせる働き方を検討するとよいでしょう。

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派遣と派遣のダブルワークをする場合のポイント

異なる職場で働く派遣社員の女性

派遣契約を2つ掛け持ちする「派遣と派遣のダブルワーク」には、働き方の特徴を理解したうえで調整が必要です。

同じ派遣会社か別の派遣会社かで異なる注意点

同じ派遣会社で複数の派遣先の仕事を案内してもらう場合は、社内で労働時間や勤怠状況が一元管理されやすく、比較的調整がしやすい傾向にあります。

一方、別々の派遣会社と契約してダブルワークをする場合は、労働時間の通算や社会保険の手続きについて、自分自身で状況を把握し、双方の派遣会社に必要な情報を伝える必要があります。

派遣会社によっては、他社との掛け持ちに関して独自のルールを設けている場合もあるため、契約前に確認しておきましょう。

シフト管理・体調管理で意識したいこと

複数の派遣先を掛け持ちする場合、シフトの重複や急な予定変更への対応が課題になりやすいです。それぞれの勤務先に無理のない範囲で稼働日・時間を伝え、スケジュールを可視化しておくとトラブルを防ぎやすくなります。

また、勤務先が増える分だけ通勤や業務による負担も増えるため、休息時間を確保し、体調管理を優先することも忘れないようにしましょう。

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派遣と単発バイトでダブルワークをする場合のポイント

決まったシフトでの掛け持ちが難しい方には、派遣と単発バイトを組み合わせる働き方も選択肢の一つです。平日はレギュラー派遣として働き、週末や隙間時間に単発バイトを入れる働き方をする方が多いです。

単発バイトを組み合わせるメリット

単発バイトを副業にする最大のメリットは、シフトに縛られない柔軟性にあります。1日単位・数時間単位で働けるものが多く、派遣の勤務スケジュールに合わせて柔軟に働ける点が魅力です。

空いた日だけ働く、繁忙期だけ収入を増やすといった調整がしやすく、継続的な契約を結ぶ必要がないため、まずはダブルワークを試してみたいという方にも取り入れやすい働き方だといえるでしょう。

組み合わせ先を選ぶときのチェックポイント

単発バイトを選ぶ際は、以下の点を確認しておくと安心です。

  • 派遣の勤務日・勤務時間と重複しないか
  • 通算した労働時間がどの程度になるか
  • 単発バイトであっても、収入が一定額を超えると税務上の申告が必要になる場合がある

単発バイトであっても、労働基準法に基づく労働時間の通算ルールは適用されます。平日の派遣業務と合わせて法定労働時間を超える場合は、勤務先側で時間外労働に関する適切な管理が必要となるため、それぞれの勤務先に勤務状況を伝えておくことが重要です。

また、派遣スタッフとして単発の仕事(日雇い派遣)をする場合は、労働者派遣法による「日雇い派遣の原則禁止」に注意が必要です。日雇い派遣は原則として禁止されていますが、60歳以上の人、一定の学生、副業で主たる業務の収入が500万円以上の人、世帯収入が500万円以上で主たる生計者ではない人などは例外となります。また、一定の業務についても例外が設けられています。

日雇い派遣の例外要件を満たさない場合は、派遣ではなく勤務先との直接雇用による単発・短期のアルバイトなどを探す方法があります。

派遣のダブルワーク|社会保険・確定申告・年末調整の要点

派遣のダブルワークをしている女性が、自分の社会保険や確定申告に関する手続きを確認しているイメージ

ダブルワークをするうえで特に理解しておきたいのが、社会保険・確定申告・年末調整の扱いです。それぞれ制度が異なるため、要点を押さえておきましょう。

より詳しい手続き方法や計算例は、こちらの記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

社会保険の加入条件と二重加入の考え方

社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、それぞれの勤務先で「1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上」などの条件を満たすと加入対象になります。また、企業規模等の要件を満たせば、週20時間以上の勤務でも加入対象となるケースがあります。

複数の勤務先でそれぞれ加入条件を満たした場合は、「二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出し、いずれかの事業所を主たる事業所として選択したうえで、各事業所の報酬月額を合算して保険料を計算する仕組みになります。

一方、雇用保険は原則として1つの雇用関係でのみ加入するため、主たる勤務先で加入するのが基本です。※65歳以上には一定の要件を満たす場合の特例があります。

なお、2025年6月に成立した年金制度改正法により、短時間労働者の社会保険加入要件のうち賃金要件(いわゆる「106万円の壁」)は2026年10月に撤廃される予定です。あわせて企業規模要件も2027年10月から段階的に縮小され、2035年10月に完全撤廃される見込みです。

最終的に企業規模要件まで撤廃されると、勤務先の規模にかかわらず、週20時間以上などの要件を満たす短時間労働者が社会保険の加入対象となります。今後の制度変更にも注意しておくとよいでしょう。自分がどの制度の対象になるかは、それぞれの勤務先の労働時間・条件によって異なるため、不明な場合は各勤務先の担当者や年金事務所に確認しておくと安心です。

年末調整は本業(メインの勤務先)でのみ行われる

年末調整は、給与所得者が年間の所得税額を精算する手続きですが、複数の勤務先で働いている場合、年末調整を受けられるのは「扶養控除等申告書」を提出しているメインの勤務先1社のみです。

もう一方の勤務先の給与については原則として年末調整が行われないため、給与額などの条件によっては確定申告が必要になります。扶養控除等申告書は、原則として主たる給与の支払者1か所に提出します。

確定申告が必要になる具体的な条件について、次項で確認していきましょう。

確定申告が必要になるケースの目安

複数の勤務先から給与を受け取っている場合、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。20万円以下であっても、住民税の申告は別途必要になる場合があるため注意しましょう。

また、複数の勤務先分の源泉徴収票をもとに所得を合算して申告する必要があるため、年末調整が行われなかった勤務先の源泉徴収票は必ず保管しておきましょう。申告を怠ると、後から税務署の指摘を受け、加算税や延滞税が発生する可能性もあります。

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派遣のダブルワークにおすすめの働き方・職種

どのようなスタイルであれば、効率よく、かつ無理なくダブルワークを継続できるのでしょうか。生活のリズムを崩さずに収入を増やすための具体的なプランと、おすすめの職種をご紹介します。

おすすめの働き方①:派遣 + 派遣(別の派遣会社)

決まった曜日・時間帯で継続的に収入を確保したい方に向いている組み合わせです。異なる業界・職種の派遣先を選べば、幅広いスキルや経験を積むことができます。一方で、双方の契約期間や更新のタイミングが重ならないよう、スケジュール管理には注意が必要です。

おすすめの働き方②:派遣 + 単発・短期バイト

本業の派遣を軸にしながら、空いた時間に無理なく収入を上乗せしたい方に向いている組み合わせです。平日の規則正しい生活リズムを守りつつ、空き時間を確実に現金化できます。繁忙期や急な出費が必要なときにスポット的に働けるため、ライフスタイルに合わせて調整しやすいのが特徴です。

ダブルワークにおすすめの職種例

ダブルワークに適しているのは、シフトの融通が利きやすく、肉体的な疲労を過度に蓄積させない職種です。例えば以下のような職種があげられます。

  • コールセンター・データ入力:勤務時間の融通がききやすい
  • 軽作業・仕分けなどの倉庫内業務:単発・短期の求人が豊富
  • イベントスタッフ・試験監督:単発の案件が豊富
  • 飲食店やレジ業務:短時間シフト制

派遣のダブルワークに関するよくある質問

派遣のダブルワークを考える方が抱きやすい疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。

派遣会社にダブルワークを報告しないとどうなりますか?

就業規則で事前申告が義務付けられている場合、報告をせずにダブルワークを行うと契約違反とみなされる可能性があります。労働時間の通算や社会保険の手続きにも支障が出ることがあるため、ダブルワークを始める前に派遣会社へ相談し、必要な報告を行っておくことをおすすめします。

派遣のダブルワークは会社にばれますか?

住民税額の変化などをきっかけに気づかれる可能性はありますが、必ずしも隠す必要があるものではありません。就業規則に反していなければ、正直に申告しておく方が、後々のトラブルを避けられます。

確定申告をしなかった場合のペナルティは?

確定申告が必要な所得があるにもかかわらず申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税といった追加の税負担が発生する可能性があります。ダブルワークで一定額以上の収入がある場合は、期限内に正しく申告することが重要です。

まとめ:派遣のダブルワークはルールを正しく理解して

派遣社員のダブルワークは、法律上禁止されているものではなく、就業規則や労働時間、税金・社会保険のルールを正しく理解すれば、無理なく収入やスキルアップの機会を広げることができます。派遣と派遣、派遣と単発バイトなど、自分のライフスタイルに合った組み合わせを選び、事前に必要な確認・手続きを行ったうえでダブルワークに挑戦してみてはいかがでしょうか。

派遣のお仕事探しには、ぜひキャリステもご活用ください。勤務時間を調整しやすいコールセンターやデータ入力の案件、短時間勤務OKの案件、短期・単発の案件なども豊富に掲載しています。

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