【2026年版】派遣社員の産休・育休完全ガイド|条件・給付金・手続きを徹底解説

まもなく産休に入る妊婦さんがオフィスで働いているイメージ

派遣社員として働いている、もしくはこれから働こうとしているなかで、「妊娠したら産休や育休は取れるのだろうか」「休業中の収入が不安」「手続きが複雑そう」などの不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。この記事では、派遣社員の皆さんが安心して産休・育休を取得できるよう、制度の利用条件や給付金の具体的な金額、手続きなどを解説していきます。

目次

【3分でわかる】あなたは産休・育休が取れる?セルフチェックリスト

まずはご自身の状況で産休・育休が取得できる可能性があるか、以下のチェックリストで簡単に確認してみましょう。

【産休(産前・産後休業)のチェック項目】

  • 派遣会社と雇用契約を結んでいる
  • 出産予定日が決まっている
  • 健康保険に加入している(出産手当金を受け取る場合)

産休は、雇用形態に関わらずすべての働く女性が取得できる権利です。派遣社員であっても、雇用契約があれば取得可能です。

【育休(育児休業)のチェック項目】

  • 子どもが1歳6か月に達する日までに雇用契約が満了することが明らかでない
  • 同じ派遣会社で1年以上雇用されている
  • 週3日以上勤務している

上記すべてに当てはまる方は、安心して次のステップに進みましょう。当てはまらない項目がある、という方も、まずは派遣会社に相談してみましょう。労使協定の有無など状況によっては取得できる可能性があります。

【こんな場合はどうなる?】

「働き始めて9か月だけど産休は取れる?」 

産休は取得可能です。育休は、派遣会社に労使協定がなければ取得できます。

「3か月契約を更新している場合はどうなる?」

更新実績があり、今後も更新見込みがあれば育休取得の対象になります。

【結論】派遣社員も産休・育休は取得できる!

多くの派遣社員の方が、「派遣だと産休や育休は取れないのでは」と不安に感じているかもしれませんが、結論からお伝えすると、派遣社員も正社員と同様に、法律で定められた産休を取得する権利があります。また育休についても、一定の条件を満たしていれば取得可能です。

この制度を利用するうえで重要なポイントは、産休・育休の申請先や休業中の雇用主は、派遣先の企業ではなく「派遣会社」であるということ。実際に働いている場所は派遣先企業かもしれませんが、雇用契約を結んでいるのは派遣会社です。そのため、すべての手続きは派遣会社を通じて行うことになります。

\産休・育休取得者多数/

まずは基本から!産休・育休制度とは

産休(産前・産後休業)と育休(育児休業)は、出産や育児を行う労働者が安心して母体の保護や育児に専念できるよう、国が定めている制度です。どちらも仕事と育児の両立を支援する目的がありますが、法律上の根拠や対象期間、取得目的が異なる別々の制度として位置付けられています。

産休と育休の対象期間がわかるタイムラインを示した図

産休(産前・産後休業)とは

産休は、出産前後の女性が心身を休めるための休業制度で、労働基準法第65条で定められています。正社員、契約社員、パート、アルバイト、そして派遣社員も含め、すべての働く女性が対象で、派遣会社と雇用契約を結んでいれば、勤務期間の長さに関わらず取得できます。

産休の期間

産前休業:
出産予定日の6週間前(42日前)から取得可能。双子など多胎妊娠の場合は14週間前(98日前)から。本人が請求すれば取得できます。

産後休業:
出産の翌日から8週間(56日間)。このうち産後6週間は本人の意思に関わらず就業できません(就業禁止期間)。産後6週間経過後は、本人が希望し医師が認めれば就業可能です。 産休は「母体保護」を目的とした制度のため、出産する女性本人のみが対象です。

育休(育児休業)とは?

育休は、子どもを養育するための休業制度で、育児・介護休業法に基づいています。産休が母体の保護を目的とするのに対し、育休は子どもの養育を目的としており、男女ともに取得できるのが大きな特徴です。

育休の期間

  • 原則として、子どもが1歳になる前日まで取得可能
  • 保育所に入所できないなどの事情がある場合は、最長で2歳まで延長可能
  • 父母ともに育休を取得する場合(パパ・ママ育休プラス)は、1歳2か月まで延長可能

【2026年最新】法改正で変わったこと(産後パパ育休・分割取得)

育休取得要件の緩和

2022年の育児・介護休業法改正で、「雇用期間1年以上」という要件が撤廃されました。これにより、労使協定で特別に定められていなければ、働き始めてから1年以内の方でも育休を取得できるようになりました。

産後パパ育休

2022年10月から段階的に施行されている育児・介護休業法の改正により「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されました。子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日間)取得できる、男性向けの新しい育休制度です。

特徴

  • 通常の育休とは別に取得可能
  • 2回に分割して取得可能
  • 労使協定を締結している場合、休業中に一定の就業が可能

2回に分割できるため、例えば出産直後と妻の体調が回復した頃に分けて取得し育児に参加するなど、柔軟に取得できるようになりました。

出生後休業支援給付金の創設

2025年、育児休業給付金に13%が上乗せされる「出生後休業支援給付金」が創設されました。一定の条件を満たせば、最大28日間、手取り10割相当の給付を受けられます。

主な条件

  • 夫婦ともに14日以上の育休を取得すること
  • 子の出生後、男性は8週間以内に14日以上、女性は産後休業終了後8週間を経過するまでに14日以上育休を取得すること

これらの改正により、派遣社員を含むすべての労働者が、より柔軟に育休を取得できる環境が整いつつあります。

派遣社員が産休・育休を取得するための具体的な条件

妊娠中の派遣社員が産休・育休取得に必要な手続きを会社で確認しているイメージ

派遣社員の方が産休や育休を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。特に育児休業に関しては、派遣社員ならではの要件が定められているため、ご自身の状況と照らし合わせながら確認を進めてください。

産休を取得するための条件

産休は労働基準法で定められた権利で、取得条件は非常にシンプルです。

  1. 派遣会社と雇用契約を結んでいること
  2. 出産予定日が確定していること

勤務期間の長さや契約形態、週の勤務日数などは一切関係ありません。派遣会社に登録して働いていれば、誰でも産休を取得できます。

ただし、出産手当金(産休中の収入を補う手当)を受け取るには、健康保険に加入していることが条件となります。派遣社員の場合、週の所定労働時間が20時間以上などの条件を満たせば社会保険に加入できます。

育休を取得するための条件

派遣社員が育休を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 申し出時点において、子どもが1歳6か月に達する日までに雇用契約が満了することが明らかでないこと

育休取得時点で、子どもが1歳6か月に達する日までに、雇用契約が終了することが確定していないことが条件です。将来の契約更新が未定であっても、今後も更新される見込みがある=「終了することが明らかでない」場合は対象になります。

ポイント:
先述した通り、かつては同じ派遣会社で「1年以上の雇用」があることも必須条件になっていましたが、2022年の法改正により法律上の要件としては撤廃されました。ただし、派遣会社が労使協定を締結している場合、「雇用期間が1年未満の労働者」などを育休取得の対象から除外できる制度が残っています。

労使協定がある場合
派遣会社の労使協定の内容によっては、以下のような人が育休の対象外とされることがあります。

  • 雇用期間が1年未満の労働者
  • 週の所定労働日数が2日以下の労働者
  • その他協定で定められた条件に該当する場合

自分の派遣会社に育休に関する労使協定があるかどうかについては、担当者に確認することをおすすめします。

【ケース別】こんな場合は産休・育休を取れる?

派遣社員の方が特に迷いやすい具体的な状況ごとに、産休・育休が取得できるかどうか見ていきましょう。

働き始めて1年未満の場合

産休:取得できます。

育休:派遣会社に労使協定がなければ取得できます。労使協定がある場合は、雇用開始から1年経過後に取得可能です。

具体例:2024年4月に派遣会社に登録して働き始め、2024年12月に妊娠が判明、2025年8月が出産予定日の場合
 産休:2025年6月下旬(出産予定日の6週間前)から取得可能
 育休:労使協定がなければ産後休業終了後(2025年10月頃)から取得可能。労使協定がある場合は、2025年4月(雇用開始から1年経過)以降に取得可能

3か月など短期の契約を更新している場合

産休:取得できます。契約期間の長さは関係ありません。

育休:今後も契約更新される見込みがあれば取得できます。

ポイント

  • 派遣先から契約終了の通知を受けていないか
  • 派遣会社から「更新しない」と明示されていないか
  • 過去に契約更新された実績があるか

これらを総合的に判断して、「子どもが1歳6か月に達する日までに雇用契約が満了することが明らか」でなければ、育休を取得できます。

産休・育休中に契約期間が満了する場合

産休中に契約期間が満了する場合:
産休は労働基準法で保障された権利のため、契約期間中であれば取得できます。ただし契約満了後は雇用関係がなくなるため、産休も終了します。

育休中に契約期間が満了する場合:
育休取得時点で「子どもが1歳6か月になるまでに契約満了が明らか」な場合は、育休を取得できません。ただし契約更新の見込みがあれば取得可能です。

重要なポイント
産休や育休の権利は、雇用契約が存在することを前提としているため、契約期間の満了とともに休業も終了することになります。ただ、産休・育休を理由に契約を更新しないことは、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法で禁止されています。妊娠・出産を理由とした不利益な取り扱いは違法です。契約更新の時期が近い場合は、早めに派遣会社に相談し、契約更新と産休・育休取得について確認しましょう。

【お金の不安を解消】産休・育休中にもらえる手当・給付金のすべて

派遣社員の方にとって、妊娠・出産は喜ばしいライフイベントである一方で、収入面では不安を感じる方も多いのではないでしょうか。でも安心してください。国が定めた様々な手当や給付金を受け取れる制度があります。これらを上手に活用することで、経済的な不安を大幅に軽減し、安心して出産や育児に専念できます。

①出産育児一時金:出産費用を補助

支給額:子ども1人につき50万円(2023年4月以降、産科医療補償制度加入の医療機関で出産した場合)

対象者:健康保険の被保険者またはその扶養者

申請先:加入している健康保険(派遣会社の健康保険組合、または協会けんぽ)

出産育児一時金は、健康保険から支給される出産費用の補助金で、出産にかかる費用の大部分をカバーできるようになっています。また多くの医療機関で「直接支払制度」を利用でき、窓口での高額な自己負担を軽減できます。

②出産手当金:産休中の生活を支える給料代わりの手当

支給額:1日あたり、標準報酬日額の3分の2相当額

支給期間:出産日(出産予定日より遅れた場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から出産日後56日までの範囲内で、仕事を休んだ期間

対象者:健康保険に加入している方(被扶養者は対象外)

申請先:加入している健康保険

計算方法
1日あたりの支給額=標準報酬日額(支給開始日以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額)÷30日×2/3

〈計算例〉月給20万円の場合
標準報酬月額:20万円
標準報酬日額:20万円÷30日  =約6,667円
1日あたりの支給額:6,667円×2/3=約4,445円
98日間(産前42日+産後56日)の総支給額:約43万5,610円

「出産手当金」は、産休中に会社から給与が支払われない場合に健康保険から支給される手当で、産休中の生活を支える重要な収入源となります。出産のために仕事を休まざるを得ない期間の生活を保障することを目的としています。

対象は、勤務先の健康保険(協会けんぽや組合健保など)に加入している本人に限られます。国民健康保険に加入されている方は対象外なので注意が必要です。

支給期間は、産前42日間(多胎妊娠の場合は98日間)と産後56日間のうち、仕事を休んだ期間が対象です。この手当があることで、産休中でも一定の収入が確保され、安心して出産を迎えることができます。

③育児休業給付金:育休中の収入をサポート

支給額

  • 育休開始から180日目まで:休業開始時賃金の67%
  • 181日目以降:休業開始時賃金の50%

支給期間:原則として子どもが1歳になるまで(保育所に入所できない場合などは最長2歳まで延長可能)

対象者:雇用保険に加入しており、育休開始前2年間に11日以上働いた月(または80時間以上働いた月)が12か月以上ある方

申請先:派遣会社を通じてハローワークに申請

計算方法:
支給額=休業開始時賃金日額(育休開始前6か月間の賃金合計÷180日)×支給日数×給付率(67%または50%)

〈計算例〉月給20万円の場合
育休開始~180日目:20万円×67%=13万4,000円/月
181日目以降:20万円×50%=10万円/月
1年間(12か月)の総支給額:約140万円

育児休業給付金は、育児休業中に給与が支払われない場合に雇用保険から支給される給付金で、育休中の生活を支える主要な収入源です。育児に専念する期間の収入をサポートし、安心して子育てができるように設けられています。2か月ごとに申請・支給されるのが一般的です。

➃【2025年4月新設】出生後休業支援給付金:手取り10割相当に

2025年4月から、育児休業給付金に上乗せされる「出生後休業支援給付金」が創設されました。

支給額:休業開始時賃金の13%(育児休業給付金67%と合わせて80%)

支給期間:最大28日間

対象者:以下の条件を満たす方

  • 夫婦ともに14日以上の育休を取得すること
  • 父親は子の出生後8週間以内に通算14日以上の育休を取得すること
  • 母親は産休後8週間以内に通算14日以上の育休を取得すること

手取り10割相当の仕組み

  • 育児休業給付金67%+出生後休業支援給付金13%=80%(額面)
  • 育休中は社会保険料免除+給付金は非課税(後述)
  • 結果として手取り10割相当の給付に

この制度により、特に男性の育休取得が促進されることが期待されています。

➄社会保険料の免除:休業中の負担を軽減

産休・育休中に受けられる大きなメリットの一つに「社会保険料の免除」があります。

免除期間

  • 産休中:産前・産後休業を取得している期間
  • 育休中:育児休業を取得している期間(子どもが3歳になるまで)

免除の内容:本人負担分・事業主負担分ともに免除

手続き:派遣会社が年金事務所に届け出

月給が20万円の場合、月額約3万円の社会保険料が免除されるため、大きな負担軽減になります。

社会保険料が免除されても、健康保険の保障は継続され、将来の年金受給額にも影響はありません。つまり、免除期間中も病院を受診する際に保険証は通常通り使えますし、年金の加入期間としてもきちんとカウントされます。収入が途絶える期間の経済的負担を大幅に軽減できるため、この制度をぜひ活用して、安心して出産・育児期間を過ごしてください。

【具体例】月給20万円の派遣社員の給付金シミュレーション

ここでは、月給20万円(標準報酬月額20万円)の派遣社員の方が産休・育休を取得した場合の給付金を具体的にシミュレーションしていきます。

H4:前提条件

月給:20万円
出産予定日:2026年8月1日
産前休業開始:2026年6月21日(出産予定日の6週間前)
産後休業終了:2026年9月26日(出産日の翌日から56日後)
育休期間:2026年9月27日~2027年7月31日(子どもが1歳になるまで)
配偶者も育休を14日以上取得(出生後休業支援給付金の要件を満たす)

受け取れる給付金の内訳

1. 出産育児一時金:50万円
健康保険から支給される出産費用の補助金です。産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合、子ども1人につき50万円が支給されます。

2. 出産手当金(産休中):約43万5,610円
産休中の収入を補うための手当です。

〈計算方法
標準報酬日額:20万円÷30日=約6,667円
1日あたりの支給額:6,667円×2/3=約4,445円
支給期間:産前42日+産後56日=98日間
合計:4,445円×98日=約43万5,610円

3. 育児休業給付金(育休中):約120万4,000円
育休中の収入をサポートする給付金です。

〈計算方法〉
最初の6か月(180日)
 20万円×67%=13万4,000円/月
 6か月分:13万4,000円×6か月=80万4,000円
残りの4か月
 20万円×50%=10万円/月
 4か月分:10万円×4か月=40万円
合計:120万4,000円

4. 出生後休業支援給付金(2025年4月新設):約2万4,276円
2025年4月から創設された新しい給付金です。育児休業給付金に13%が上乗せされます。

支給条件
夫婦ともに14日以上の育休を、それぞれ子の出生後一定期間内に取得すること

計算方法〉
支給率:休業開始時賃金の13%
支給期間:最大28日間
1日あたり:20万円÷30日×13%=約867円
28日分:867円×28日=約2万4,276円
※ただし、実際の支給額は育休開始時期や取得日数によって変動します。ここでは最大28日間取得した場合の概算です。

育児休業給付金と合わせた実質的な給付率
育児休業給付金67%+出生後休業支援給付金13%=80%(額面)
育休中は社会保険料免除+給付金は非課税
結果として手取り10割相当の給付に

最初の28日間の給付額
育児休業給付金:20万円×67%÷30日×28日=約12万5,067円
出生後休業支援給付金:20万円×13%÷30日×28日=約2万4,267円
合計:約14万9,334円(28日分)

5. 社会保険料免除(産休・育休中の約14か月):約42万円
産休・育休中は、健康保険料と厚生年金保険料が本人負担分・事業主負担分ともに免除されます。

計算方法
月給20万円の場合の社会保険料:月額約3万円
免除期間:産休・育休の約14か月
合計:3万円×14か月=約42万円

総額:約258万円の経済的サポート

項目金額
出産育児一時金50万円
出産手当金約43万5,610円
育児休業給付金約120万4,000円
出生後休業支援給付金約2万4,267円
社会保険料免除約42万円
合計約258万3,877円

※出生後休業支援給付金は最大28日間取得した場合の概算です。実際の支給額は取得日数や時期によって変動します。

給付金受給のスケジュール

出産予定日:2026年8月1日

2026年6月21日~9月26日(産休期間)
 収入:なし
 後日受給:出産育児一時金50万円、出産手当金約43万5,610円

2026年9月27日~11月26日(育休開始~最初の2か月)
 育児給付金     :約26万8,000円(2か月分)
 出生後休業支援給付金:約2万4,267円(28日分)
         合計:約29万2,267円

2026年11月27日~2027年3月26日(育休3~6か月)
 育児休業給付金:約53万6,000円(4か月分)

2027年3月27日~7月31日(育休7~10か月)
 育児休業給付金:約40万円(4か月分/50%)

注意点

  1. 給付金は後払い
    出産手当金は産休終了後、育児休業給付金は2か月ごとに支給されます。そのため、産休・育休開始直後は収入がない期間が発生します。貯蓄や配偶者の収入も含めて、事前に生活設計を立てておくことが大切です。
  2. 出生後休業支援給付金の条件
    夫婦ともに14日以上の育休を取得することが条件です。配偶者が育休を取得しない場合、この給付金は受け取れません。
  3. 税金・社会保険料
    出産手当金と育児休業給付金は非課税で、社会保険料もかかりません。額面の金額がそのまま手取りとなります。
  4. 実際の金額は個人差がある
    このシミュレーションは月給20万円の場合の概算です。実際の給付額は標準報酬月額や休業開始時賃金によって異なります。

【完全ガイド】妊娠発覚から復帰までの手続きロードマップ

妊娠中の派遣社員が、産休・育休を経て仕事に復帰するまでの流れを確認しているイメージ

妊娠がわかってから、出産をし、職場に復帰するまでの流れを必要な手続きとともに解説していきます。

STEP
妊娠がわかったら|まずは派遣会社に相談

妊娠が判明したらまず行うべきは、ご自身の雇用主である派遣会社の担当者へ連絡することです。派遣先企業よりも先に派遣会社に報告するべき理由は、派遣社員の雇用契約は派遣会社と結ばれており、産休・育休に関する手続きの窓口も派遣会社になるためです。

報告する内容

  • 妊娠していること
  • 出産予定日
  • 産休・育休を取得したい意向
  • 現在の体調

報告の例

「お世話になっております。私事で恐縮ですが、この度妊娠していることが分かりました。出産予定日は○月○日です。体調は今のところ安定しており、業務に支障はありませんが、今後産休・育休を取得したいと考えております。手続きや今後の流れについて、ご相談させていただけますでしょうか」

派遣会社に確認すべきこと

  • 自分が産休・育休の取得条件を満たしているか
  • 労使協定の有無(雇用期間1年未満でも育休を取得できるか)
  • 契約更新の見込みはあるか
  • 必要な手続きと書類
  • 給付金の申請方法
  • 復帰後の働き方

そのほか不安なことや分からないことがあれば、この時点で遠慮なく質問しましょう。

STEP
派遣先への報告|伝えるタイミングと挨拶のポイント

派遣会社への報告が済んだら、次は派遣先企業(勤務先)への報告です。

報告のタイミング
派遣会社と相談のうえ、妊娠3~4か月頃(安定期に入る前後)に報告するのが一般的です。ただし体調不良で業務に影響が出る可能性がある場合は、早めに報告しましょう。

報告する相手
直属の上司やチームリーダーにまず報告し、その後チームメンバーに伝えるのが一般的です。

報告する内容

  • 妊娠していること
  • 出産予定日
  • 産休・育休の取得予定時期
  • 業務の引き継ぎについて

報告の例
「お忙しいところ恐れ入ります。私事で恐縮ですが、この度妊娠していることが分かりました。出産予定日は○月○日で、○月頃から産休を取得させていただく予定です。派遣会社とも相談の上、産休・育休を取得したいと考えております。業務の引き継ぎなど、ご迷惑をおかけしないよう準備を進めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします」

伝える際のポイント

  • 感謝の気持ちを伝える
  • 業務への影響を最小限にする意思を示す
  • 引き継ぎのスケジュールを提案する
  • 体調に配慮が必要な場合は具体的に伝える

派遣先への報告は緊張するかもしれませんが、遠慮する必要はありません。業務の引き継ぎを責任持って行う意思があることなど、周囲への配慮を忘れず、丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。

STEP
産休・育休の申請|必要書類と手続きの流れ

産休・育休を取得するための正式な申請手続きは、すべて派遣会社を通じて行います。

産休の申請

申請時期:産前休業開始予定日の1か月前までに派遣会社に申し出る
必要書類:

  • 健康保険出産手当金支給申請書
  • 医師または助産師の証明(出産日や出産の事実を証明)
  • 事業主(派遣会社)の証明

育休の申請

申請時期:育休開始予定日の1か月前まで(遅くとも2週間前まで)に派遣会社に申し出る
必要書類:

  • 育児休業申出書(派遣会社が用意)
  • 母子健康手帳のコピー(出生を証明するページ)

育児休業給付金の申請

申請時期:育休開始後、派遣会社を通じて2か月ごとに申請
必要書類:

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書
  • 母子健康手帳のコピー
  • 賃金台帳、出勤簿など

多くの場合、派遣会社が手続きをサポートしてくれます。必要書類や提出期限については、派遣会社の指示に従って準備しましょう。

STEP
職場復帰の相談|いつ頃から何を話すべき?

育休からの職場復帰についても、早めに派遣会社と相談することが大切です。

相談を始める時期:育休終了の3~6か月前から

相談する内容

  • 復帰希望時期
  • 希望する勤務形態(フルタイム、時短勤務など)
  • 希望する勤務地や職種
  • 保育園の入園状況

復帰先について
派遣社員の場合、育休前と同じ派遣先に復帰できるとは限りません。派遣先の受け入れ状況や、新たな派遣先の紹介など、派遣会社と相談しながら復帰先を決めていきます。

復帰が難しい場合

  • 保育園に入所できない場合:育休を最長2歳まで延長できます
  • 派遣先が見つからない場合:派遣会社に他の派遣先を紹介してもらう、または一時的に求職活動を行う

復帰に向けた準備は、保育園探しや家族との調整など時間がかかることも多いため、早めに動き始めることが重要です。

産休・育休明けの職場復帰はどうなる?よくある不安を解消

産休・育休を経て職場復帰をした派遣社員の女性が、出勤前に子どもを保育園へ送るイメージ

派遣社員として産休・育休を取得した後に「もし仕事が見つからなかったらどうしよう」といった不安を感じる方は少なくありません。ここでは、派遣社員の方が抱えがちな復帰時の不安に焦点を当てて、よくある疑問にお答えしていきます。

元の職場に復帰できるとは限らない?

正社員の場合、育休後は原則として元の職場に復帰できますが、派遣社員の場合は状況が異なります。

派遣社員の復帰の実態

  • 育休前と同じ派遣先に復帰できるとは限らない
  • 派遣先の受け入れ状況や、派遣契約の有無による
  • 派遣会社が新たな派遣先を紹介するケースも多い

なぜ元の職場に戻れないのか

派遣社員の雇用主は派遣会社であり、派遣先企業ではありません。育休中に派遣先との契約が終了している場合、派遣先には復帰させる義務はないのです。

元の職場に復帰するためのポイント

  • 育休取得前に、派遣先と派遣会社に復帰の意向を明確に伝える
  • 派遣先が受け入れ可能かどうか、早めに確認する
  • 復帰時期や勤務条件について、柔軟に対応する姿勢を示す

元の職場に戻れなくても、基本的には派遣会社が新しい派遣先を紹介してくれます。過度に心配する必要はありません。

復帰先が決まらない・見つからない場合の対処法

育休終了が近づいても復帰先が決まらない場合、どうすればよいのでしょうか。

対処法1:育休の延長を検討する

保育園に入所できないなどの理由がある場合、育休を最長2歳まで延長でき、復帰先を探す時間を確保できます。延長する場合は、市区町村が発行する「保育所入所不承諾通知書」などが必要です。

延長の条件

  • 子どもが1歳(または1歳6か月)になる時点で、保育所に入所できない
  • 配偶者が死亡、負傷、疾病などで子どもを養育できない

対処法2:派遣会社に積極的に相談する

復帰先が見つからない場合は、派遣会社の担当者に積極的に相談しましょう。

相談する内容

  • 希望する勤務条件(勤務地、勤務時間、職種など)
  • 譲れない条件と、柔軟に対応できる条件
  • 復帰可能な時期

条件を広げることで、復帰先が見つかりやすくなります。例えば、「フルタイムは難しいが時短勤務なら可能」「職種は問わない」など、柔軟な姿勢を示すことが大切です。

対処法3:他の派遣会社や求人も検討する

それでも復帰先が見つからない場合、万が一に備えて他の派遣会社に登録したり、直接雇用の求人を探したりすることも選択肢の一つです。

公的な支援制度を活用する

  • ハローワークの「マザーズハローワーク」:子育て中の方向けの就職支援
  • 自治体の就労支援:保育園情報や再就職セミナーなど

復帰先が決まらないことは不安ですが、利用できる制度や支援を活用しながら、焦らずに自分に合った働き方を見つけましょう。複数の選択肢を視野に入れて早めに行動を起こすことが、不安を軽減し次のステップへ進むための重要なポイントとなります。

復帰後の働き方(時短勤務など)の相談は可能?

育児休業からの復帰後、子育てと仕事の両立のために「時短勤務(短時間勤務制度)」を利用したいと考える方は多いでしょう。労働基準法では、3歳未満の子どもを養育する労働者が希望した場合、事業主は時短勤務を認めなければならないと定められています。

派遣社員の場合もこの権利はありますが、時短勤務を受け入れてくれる派遣先企業を見つける必要があります。時短勤務を希望する旨を早めに派遣会社の担当者に伝え、条件に合う仕事を探してもらうよう依頼しましょう。

時短勤務を希望する場合

  • 派遣会社に早めに相談する
  • 希望する勤務時間(例:9時~16時など)を具体的に伝える
  • 時短勤務が可能な派遣先を紹介してもらう

その他の働き方の選択肢

  • 週3~4日勤務:週の勤務日数を減らす
  • 在宅勤務・リモートワーク:通勤時間を削減し、子育てとの両立を図る
  • 扶養内勤務:配偶者の扶養範囲内で働く

 【Q&A】派遣の産休・育休でよくある質問

妊娠中のつわりや体調不良で休んだら契約更新されない?

妊娠を理由とした不利益な取り扱いは法律で禁止されています。

男女雇用機会均等法では、妊娠・出産を理由とした解雇や契約の不更新、不利益な取り扱いを禁止しています。つわりや妊娠に伴う体調不良で休んだことを理由に契約を更新しないことは違法です。

体調不良で休む場合の対応

  1. 派遣会社と派遣先に早めに連絡する
  2. 医師の診断書があれば提出する
  3. 母性健康管理指導事項連絡カードを活用する

母性健康管理指導事項連絡カードは、医師が妊婦の健康状態や必要な措置(休憩時間の延長、勤務時間の短縮など)を記入するもので、事業主はこれに基づいて必要な措置を講じる義務があります。

もし、妊娠を理由に契約更新を拒否されたり、不当な扱いを受けたりした場合は、労働局の雇用環境・均等部門や労働基準監督署に相談しましょう。

妊娠を報告したら契約を切られるのでは?

妊娠を理由とした契約終了は違法です。不安な場合は証拠を残しましょう。

妊娠・出産を理由に契約を終了させることは男女雇用機会均等法で禁止されていますが、「妊娠とは関係ない理由」を表向きの理由にして契約を終了させるケースもゼロではありません。

不当な扱いを防ぐための対策

  • 妊娠の報告や派遣会社・派遣先とのやり取りは、メールなど記録に残る形で行う
  • 口頭でのやり取りは、日時・内容をメモに残す
  • 契約書や更新に関する書類は必ず保管する

双子や多胎妊娠の場合、産休期間は変わる?

はい、双子などの多胎妊娠の場合は、母体への負担が大きいことを考慮し、産前休業の期間が延長されます。

  • 単胎妊娠の場合:出産予定日の「6週間前(42日前)」から取得可能
  • 多胎妊娠の場合:出産予定日の「14週間前(98日前)」から取得可能

産後休業の期間は、単胎妊娠と同じく出産の翌日から8週間(56日間)です。

また多胎妊娠の場合、産前休業が長くなる分、出産手当金の支給期間も長くなります(最大154日間)。身体への負担も大きいため、早めに派遣会社と派遣先に報告し、必要な配慮を受けられるようにしましょう

派遣先が変わったばかりでも産休・育休は取れる?

産休は取得できます。育休は派遣会社での雇用期間によります。

産休:派遣先が変わったばかりでも、派遣会社と雇用契約があれば取得できます。

育休:派遣会社での雇用期間と労使協定の有無によります。労使協定がなければ、派遣先が変わったばかりでも取得できます。労使協定がある場合は、労使協定で定められている条件を満たしていれば取得できます。

具体例
・A派遣会社で1年6か月働いている。
・3か月前に派遣先がB社からC社に変わった。

⇒ この場合、産休も育休も取得できます。(派遣会社での雇用期間が1年以上あるため) 重要なのは「派遣会社との雇用関係」であり、派遣先が変わることは産休・育休の取得に影響しません。

育休中に次の子を妊娠した場合はどうなる?

育児休業の期間と産前休業の期間が重複する場合、原則として、次の産前休業開始日(予定日の6週間前)をもって現在の育児休業は終了となります 。

たとえば一人目の子の育児休業中に二人目を妊娠した場合は、一人目の子の育児休業は、二人目の子の産前休業が始まる日の前日までで終了となります。その後、連続して二人目の産前休業、産後休業、そして育児休業へと移行する流れです。

ただし、二人目の子の育児休業を取得するためには、その時点であらためて育児休業の取得条件を満たしている必要があります。また社会保険免除に関しても再手続きが必要です。派遣社員の場合は契約更新が絡むため、育休中に次の子の妊娠がわかった場合は、早めに派遣会社に報告をしましょう。

派遣で産休・育休を取得する際の注意点

派遣社員として産休や育休をスムーズに取得し、安心して子育てとキャリアを両立させるために知っておきたい注意点をまとめました。

産休・育休を理由に契約を更新しないのは違法

これまでお伝えしてきた通り、妊娠や出産、産休・育休の取得を理由として派遣会社が契約を更新しないこと(雇止め)や、解雇などの不利益な取り扱いをすることは、法律で明確に禁止されています。

禁止されている不利益な取り扱いの例

  • 妊娠・出産を理由とした解雇や契約の不更新
  • 産休・育休の取得を理由とした降格や減給
  • 妊娠を報告したことによる嫌がらせやハラスメント
  • 産休・育休の取得を妨げる行為

もし、このような不当な扱いを受けた場合は、泣き寝入りせず、労働局や労働基準監督署に相談しましょう。

男性の派遣社員も育休を取得できる

育児休業制度は、女性だけの制度ではありません。派遣社員として働く男性も、女性と同様に法律で定められた条件を満たせば育休を取得する権利があります。

男性が育休を取得する条件

  • 子どもが1歳6か月になるまでに雇用契約が満了することが明らかでない
  • 派遣会社に労使協定がある場合は、雇用期間1年以上、週3日以上勤務

産後パパ育休(出生時育児休業)
子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日間)取得でき、通常の育休とは別に取得できます。

出生後休業支援給付金
夫婦ともに14日以上の育休を取得すれば、最大28日間、手取り10割相当の給付を受けられます。

男性の育休取得のメリット

  • 夫婦で協力して子育てができる
  • 配偶者の産後の負担を軽減できる
  • 育児休業給付金を受け取れる

男性の育休取得はまだ少数派かもしれませんが、共働き世帯が増えるなかで、夫婦で協力して育児を行うことは非常に重要です。男性派遣社員の皆さんも、ぜひこの制度を活用して、積極的な育児参加を検討してみてください。

まとめ:条件や流れを理解して、安心して産休・育休を取得しよう

派遣社員の皆さんも、安心して産休や育休を取得できるということをご理解いただけたでしょうか。この制度は法律で定められた労働者の権利であり、派遣という雇用形態であっても、その権利はしっかりと保障されています。

派遣の仕事検索サイト「キャリステ」には、産休・育休明けの方も働きやすい時短勤務の案件や、週3日~の案件などを多数掲載しています。キャリステを使って派遣社員として働き、現在は産休・育休を取得している方も多くいらっしゃいます。

これから妊娠の可能性がある方も、育休明けの仕事探しに悩んでいる方も、ぜひ活用してみてください。

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